サーカス
おとつい、展覧会の撤収をしました。あっという間に家がなくなっていくので、さみしがってる暇もないほどでした。
いつも遊んでる原っぱに、ある日突然サーカスがやってきました。テントのなかではめくるめく世界が繰り広がっています。サーカスを見に行った少年は、次の日の朝になってもまだ胸がどっきどっきしていて、あれが夢じゃなかったのか、もう一度原っぱに見に行きます。そこにはただびゅうと風が吹いているだけで、サーカスはもう消えてなくなっていました。
「おかあさん、昨日ぼく、サーカス見に行ったよね、あれ、夢じゃなかったよねえ。」
そこまでがサーカスだと思います。まぼろしだったのかな、と思うところまでがサーカスです。
今回の展覧会にきた子らが何年かして、おかあさん、あすこに絵本みたいな町があったよねえ、へんてこな大人がすごいスピードで絵を描きあげていってさ、紙ふぶきが舞ってる町、オレンジの木があって、ジャングルもあった…たしかに、あすこに町があったよねえ、夢じゃないよねえ、となってほしいと思っていました。それくらい強く心に残って欲しいと願っていました。
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